道具の選び方

【1】面の面金(めんがね)の物見の合ったものは絶対条件

面金の物見とは、面をつけ目の位置にくる少し広い面金の部分。
ここが合っていなく、ひとつ上の位置で見るとアゴが引け、
構えた時の姿勢が非常に悪くなります。
また、ひとつ下で見るとアゴ上がり、腰が引け、正確な打突が出来ません。
物見の合っているかどうかは、技術の向上に非常に大きな影響を与えます。

【2】面布団(めんぶとん)が長いと打突時の動作を妨害する

肩幅の大きさにもよりますが、 女子でフトンの長さは106cm~108cm、
男子で108cm~110cmが適当です。
フトンの巾も、小さいと後頭部が出て危険です。
また、巾の大きすぎるものは見栄えがしません。

【3】胴は胴幅や胴胸のサイズが合ったものを

胴巾が大きすぎると、正しい構えができませんし、
胴胸のサイズが合わないと、面を打突した時に腕が伸びません。

【4】4、5段以上は、本来の60本胴、本準胴を

ファイバー胴、ヤマト胴、ヤマト50型胴など、
化学製品の安価な胴もありますが、
徐々に本来の60本胴の本物を。長持ちします。

【5】小さい甲手は破損しやすい

普及品でも高級品でも、手の内が小さく合わないものは、
無理な力が作用し、破損しやすくなります。

【6】大きすぎる甲手は手の内が締まらない

大きいと長持ちはしますが、剣道の生命である
手の内が締まらず、冴えた打突が出来ません。

【7】甲手は消耗品なので、セットから甲手だけ落としても、
全体として違和感はない

例えば1分5厘の手刺の剣道具に、
甲手だけミシンの5mm刺を使うような場合です。

【8】稽古量の多い人は甲手が2組以上あると長持ちする

修理する時も休まず稽古が出来ます。
普段の稽古、他の場所に稽古に行く時、
審査用などと分けている方もいます。

【9】昇段に従って、ミシン刺から手刺剣道具に

現在は値段的にも材質的にも
非常に良いミシン刺の剣道具がたくさんあります。
しかし、昇段に従って本来の自分の身体に合わせた
手刺の剣道具を選ぶと、やはり違います。

【10】身体や段に合う見栄えのする剣道具に

洋服でも車でも、社会的な地位が高くなるにつれ、
それ相応のものになっていきます。
剣道具も全く同じで、 戦国時代に雑兵が
侍大将の鎧をつけていると負けなかったと云う話があります。

剣道具は、面、胴、甲手、垂、どれも全て修理できます。
面ですと面金の取替、アゴの取替など。
胴は胸の取替、胴の取替など。
垂はヒモの取替、全般修理。
甲手は手の内の張替、穴の修理、ヒモの取替、筒が
丈夫で高価なものであれば頭だけの取替などもできます。